「太陽パンのこと」

 

「太陽パン」のこと

「太陽パン」は、「太陽の会」というグループで作っている手作りパンの店です。
「太陽の会」は、障害者もみんなといっしょに暮らしていけるように、
「働く場所」や「仕事」や「仲間」をみつけていこうと、
今年の春、養護学校を卒業した知恵おくれの子どもたちの三人といっしょに歩き始めたグループです。
「知恵おくれの人には、何もできない」と思っている人や、
「障害者は施設に入ればいい」と考えている人がいますが、私たちは、そう思いません。
むしろ、どんな障害を持っている人も、いっしょに暮らしていける社会にしたいと思うのです。
私欲や、出来栄えにさえも、ほとんどこだわることなく、
嬉々として働いている彼等の姿は、太陽のように輝いています。
今はまだ小さな会ですが、太陽のような大きな希望をもって、太陽のようにくじけることなく、
力強く、明るく、暖かく、彼らの輝きを道標にして歩んでいきたいと思っています。
パン作りの手法も技術も、まだまだ未熟なものですが、
もし、このパンが美味しいとしたら、それは、彼等の心の味でしょう。
そして、もし、このパンが暖かく感じられたら、
それは、きっと、あなたの心の暖かさなのだと思います。

「太陽の会」は、今、精一杯に生きています。

  昭和六十二年七月
             太陽の会
               岡崎 君子


※一部に現在では不適切な表現も含まれますが、設立当時の社会状況や設立者の「思い」を伝えたいと考え、当時の文章のままを掲載しました。